国立富士見台の分譲団地の再生|住民とともに歩んだ10年の対話と合意形成

弊社が2016年から約10年にわたり、合意形成の支援に携わってきた「国立富士見台団地」の団地再生プロジェクトをご紹介します。

緑豊かな環境と、直面する課題

国立富士見台団地は、1965年(昭和40年)に竣工した5階建、総戸数298戸の分譲団地です。豊かな緑に恵まれた素晴らしい環境にありながら、年月の経過とともに、建物の老朽化やガス・上下水道・電気といったインフラの劣化、バリアフリー基準への不適合、住民の高齢化という課題に直面していました。

弊社が当地区の団地再生に関わり始めたのは2016年です。当時は、建物の修繕・改修を行うか、あるいは建替えを行うか、それぞれの可能性について住民の間での検討が本格化していった時期でした。

「修繕・改修」か「建替え」か。誰も置いていかない丁寧な検討プロセス

私たちは、特定の選択肢を前提とするのではなく、住民の皆さまが主体的に納得のいく道を選び取れるよう、客観的で丁寧な検討プロセスの構築を心がけました。
具体的には、意見交換会や説明会の企画・開催、アンケートの実施などを通じて、一人ひとりの声にしっかりと耳を傾けることに努めました。幾度となく対話の場を重ね、お互いの立場や懸念点を話し合える場をコーディネートすることで、住民同士の相互理解を深めるサポートを行いました。また、正確な情報を届け、検討プロセスを可視化するためのニュースの発行など、きめ細かな情報発信に伴走しました。

住民同士の信頼関係をベースに、課題を乗り越えた合意形成

多様な世代や異なる考え方を持つ人々が集まる中で、多岐にわたる課題において全員で合意形成を図っていくプロセスは決して容易なものではありませんでした。時には意見の相違に向き合いながらも、住民の皆さまがお互いの暮らしや思いを尊重し合う姿勢が、このプロジェクトを前に進める大きな助けとなりました。
コロナ禍で対面での集会が制限される困難な時期もありましたが、屋外での説明会や書面での意見交換など工夫を凝らし、歩みを止めることなく対話を継続しました。さらに、緑化作業などを通じた日常的なコミュニケーションも、合意形成のベースとなる組合員同士の確かな信頼関係を育みました。
こうした皆さまの主体的な取り組みと真摯な対話の積み重ねにより、2022年には一括建替え決議が多数の賛成をもって可決され、プロジェクトは建替組合の設立、解体・新築工事へと結実していきました。

10年のあゆみが育む、これからの新しいコミュニティ

2026年、団地は地上8階建・総戸数589戸のマンションへと新しく生まれ変わり、新たな生活がスタートします。団地の記憶を引き継ぐ既存樹木の継承や南北への通り抜けを活かした歩行空間の整備、地域貢献施設・多彩な機能を備えた共用棟などもつくられています。
10年にわたり、住民の皆さまが真摯に向き合い、紡ぎ出してきた合意形成のあゆみが、新たな住まいにおける豊かなコミュニティの土台として、これからも引き継がれていくことを願っております。

国立富士見台団地建替え推進支援業務 等
site:国立市
since:2016〜2026年
clients:国立富士見台団地管理組合 及び
国立富士見台団地マンション建替組合

建替え前の団地の風景
意見交換会の様子:全体で発表
意見交換会の様子:グループでの話し合い
焼き芋大会:落葉の清掃を兼ねて毎年開催されていました
焼き芋大会:落葉の清掃を兼ねて毎年開催されていました
焼き芋大会で実施したパネル展示

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