石塚計画デザイン事務所・共同代表の安富啓が、佐藤将之さん(早稲田大学教授)、馬場義徳さん(星野リゾート)と共に、まちづくりにおけるビジネスの可能性を展望する書籍を執筆する機会をいただきました。ぜひ、お手にとっていただければ幸いです。
取材にご協力いただいた皆様、このような機会をいただいた日経BPのご担当者・関係者の皆様にあらためて感謝申し上げます。
これまでのまちづくり関連の書籍とは一線を画す(日経BP解説より)
自分が住む・働くまちで、すてきな出会いの場を生みながら、主体的に暮らしを楽しむ――。
より自由にまちづくりに関わっていくこうしたスタイルを「地元ぐらし」と定義。地元ぐらしのポイントを解説するとともに、「地元ぐらし型まちづくり」のモデルとも言える具体事例を通して、ノウハウを図解で伝える。
事例は、建築設計者やグラフィックデザイナーなどが、副業や複業として手掛けた12ケース。
事業関係者の相関図、初期投資や事業収支などを収録するなど、これまでのまちづくり関連の書籍とは一線を画す。
まちづくり仕組み図鑑 -ビジネスを生む「地元ぐらし」のススメ
発行日:2022年09月05日
著者名:佐藤 将之、馬場 義徳、安富 啓 著
発行元:日経BP
なお、本書は、日経アーキテクチュアにおける1年間(2021.4〜2022.3)の連載「まちづくり仕組み図鑑」をベースに、大幅に加筆してまとめたものです。
まちはつくられていく
「まちづくり」は文字通りに捉えれば、まちをつくる取組と言えます。
でも、どこか他人事。上から目線。関わる人も限られる・・・
そこで、まちに目を向けてみると、すでに地元の暮らしを楽しむ人がたくさんいることに気づきます。自分の趣味が高じて空き店舗で商売を始めた人、本や珈琲が好きでカフェを始めた人など。
その取組や場所は、結果的に商店街を元気にしていたり、だれもが立ち寄れる居場所になっていたりします。地元の暮らしを楽しむ人たちによって、結果的に魅力あるまちがつくられていくのです。
「地元ぐらし型まちづくり」の仕組みを明らかにしたい
そんなまちづくりを、私たちは「地元ぐらし型まちづくり」と定義しました。
その仕組みを明らかにしたい!
著者3人は意気投合し、全国各地の実践者の皆さんへの取材ツアーを開始しました。
幸運な出会いをつかむヒントにー「事業関係者の相関図」を掲載
取材で驚いたのは「なぜ、事業がうまくいったのか」と聞くと、「たまたまキーパーソンと知り合った」「たまたま空き物件を見つけた」という答えが必ずと言っていいくらい返ってくることでした。
よくよく掘り下げて聞くと、実践者の皆さんは、この「たまたま」=「幸運な出会い(セレンディピティ)」を呼び寄せ、ビジネスの可能性を広げているのです。
本書では、こうした出会いの構造を明らかにするため、各事例において、実践者、地域・事業関係者の相関図を整理しています。
地元でビジネスを始める・回すヒントにー「初期投資・事業収支」を掲載
実践者の皆さんは、地元ぐらし型まちづくりを通じて継続可能となる事業を組み立てていました。そんな事業を、私たちは「地元ぐらし型ビジネス」と定義しました。
本書では、実践者の皆さんにご協力いただき、実際に行なわれている事業の初期投資や事業収支のリアルを紹介しています。