戸隠伝建地区「防災アクションブックー建物の耐震補強編」の作成

長野市戸隠(宝光社地区・中社地区)は、大規模な宿坊群を中心とした戸隠神社の門前町です。
江戸時代の地割が良く保たれ、戸隠信仰のもと参詣者を受け入れるためにつくられた趣のある宿坊群が、社殿や在家の住宅、石垣等と一体となって歴史的町並みを形成しています。

この歴史的・文化的価値を継承していくために、2017年度に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
戸隠伝建地区には、茅葺の建物の延焼を防ぐ、大雪の被害から建物を守る、住民とともに宿坊や飲食店を訪れる多くの観光客が災害時に身の安全を確保する、といった防災上の取組課題があります。

こうした取組を計画的に進めていくために、2021年度に「長野市戸隠伝統的建造物群保存地区防災計画」が策定されました。
「防災アクションブック」は、防災計画の内容をもとに、戸隠伝建地区の住民・事業者・行政が協力して進める防災アクションをわかりやすくまとめた手引きです。
2024年度で防災アクションブックは3冊目となりました。1年目は防災全体のこと、2年目は建物のお手入れ、3年目は建物の耐震補強をテーマとしています。

「建物の耐震補強編」では、戸隠地区で歴史的建造物の耐震補強工事を行っている現場を見せていただき、どのような工事を行っているのかを確認しました。
また、所有者の方に耐震補強工事の大切さを理解していただけるように、専門家との相談方法や伝統構法とは何か、建物が地震力に耐えるための考え方など構造力学の基本を信州大学、工学院大学の先生方にアドバイスをいただきながら分かりやすくまとめています。

弊社では、工事現場でのヒアリング等をもとに戸隠ならではの耐震補強方法を整理し、勉強会の企画・運営、アクションブックの作成・編集・デザイン等を担当しました。

長野市戸隠伝統的建造物群保存地区防災マニュアル作成業務委託
site:長野市⼾隠
since:2024
client:長野市観光文化部文化財課・都市整備部まちづくり課
advisor:松田昌洋(信州大学助教)・村上正浩(工学院大学教授)・小林直弘(工学院大学研究補助員)
link:長野市戸隠伝統的建造物群保存地区の防災に関するサイトはこちら

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