宮前区ソーシャルデザインセンターの創出に向けた「ラウンドテーブル」のお試し実施

川崎市宮前区では、2018年(平成30年)より参加と協働による地域の課題解決や活動を豊かにするための「新たなしくみ」を区民の皆さまと区役所がともに検討を積み重ねてきました。令和3年度は、宮前区ソーシャルデザインセンター(SDC)の創出に向けて、宮前区らしい「しくみ」をお試し実施する取組が行われました。

弊社は、取組を進める上でのワークショップの企画やお試し実施のお手伝いをさせていただきました。

宮前区では、区内の多彩な活動がより豊かになることが重要であり、活動同士がお互いを知り、つながり、信頼できる関係を築く取組が、宮前区らしい「しくみ」ではないかという仮説のもと、多様な主体が協働・連携するプラットフォームとして「ラウンドテーブル」をお試し実施しました。

区民や企業の皆さまにご協力いただき、3つのプロジェクトをテーマにラウンドテーブルが行われました。

町内会との連携による公園を活用したマルシェのお手伝いを通じてノウハウを共有するラウンドテーブル。シニアが気軽に立ち寄れる場についてアイデアを出し合うラウンドテーブル。そして、民間企業が保有する空間を地域活動に活用するラウンドテーブルが行われました。

ラウンドテーブルの成果の一つとして、取組をきっかけに区では川崎市内では初の試みとなる「宮前区における物販を伴うイベント等に関する公園利用ガイドライン」を策定。ガイドラインによって、公園活用のプロセスや条件がわかりやすくなり、より柔軟に公園を活用できるようになりました。区民・企業・行政がラウンドテーブルで混ざり合って共通の課題や取組に向き合うことで、より良いしくみづくりを加速させることができました。

また、検証アンケートでは、ラウンドテーブルを通じて多様な立場の人が意見を出し合うことで発見や気づきにつながったことや、1つの主体では実現できなかったことが実現できたことなどが評価されました。一方で、ラウンドテーブルのようなしくみを継続するための体制、日頃から地域の課題を吸い上げるしくみや、多様な層を巻き込むための工夫が必要なことが今後の課題として改めて確認できました。

お試し実施を振り返るオンラインワークショップでは、アンケート結果を踏まえて作成された「宮前区SDC像(案)」について意見交換しました。具体的なSDC像をもとに、人の巻き込み方、SDCとして実施する取組、運営体制や情報発信の方法などについて、気になったことや感想をグループで深めました。

令和4年度は、これまでの検討やラウンドテーブルのお試し実施も踏まえ、区民の皆さまによるワーキンググループが立ち上げられ、SDCの創出に向けた具体的な検討が進められています。

宮前区におけるこれからのコミュニティ施策検討支援業務委託
site:川崎市宮前区
year:2021-2022
取組のリンクはこちら

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