コロナ禍でまちづくりの「参加の場」はどう変化したのか?

こんにちは。石塚計画デザイン事務所の3代表の1人。いつもベレー帽をかぶっているのがワタクシ千葉です。なんでも模造紙に書きとめるのが得意です!よろしくお願いします!

コロナ禍に直面して試行錯誤してきたことを共有したい

私たちは、まちづくりワークショップの参加の場のデザインや、運営をお手伝いすることが業務の柱のひとつです。2020年から今も続く新型コロナウイルスの影響は、まちづくり業界にも大きな変化をもたらしました。
2020年4月の1回目の緊急事態宣言前後は、まちづくりに関するワークショップやイベントがほとんど中止や延期となりました。

緊急事態宣言が解除された後も、引き続き中止になるものもあれば、書面開催(話し合いの場は無くなってしまった)になったものもの多く、時間をかけて参加者と積み上げてきたものが一気にトーンダウンしてしまうものもありました。
まちづくりは不要不急ではないかもしれせん。しかし、私たちは、まちづくりの場が閉ざされてしまわないように、この1年の間に、コロナ禍でも実施できる「参加の場」について試行錯誤しながらクライアントに提案したり、共に考え、その時々に可能なことを実施してきました。

この原稿を書いている2021年4月時点の状況を鑑みても、私たちの生活自体がコロナ禍以前に戻るということはまだしばらく先のことになりそうです。
そこで、このシリーズでは、『新しい生活様式での「参加の場」のデザイン』と称して、私たちが得たノウハウを紹介していきたいと思います。
私たちと同じようにまちづくりに関わる人との情報交換になればなによりです。

新しい生活様式での参加の場づくりの4つのアプローチ

コロナ禍以降の参加の場づくりについて、まず次の図のように、「オフライン」×「オンライン」×「情報発信・意見集取」×「対話型の参加の場」というマトリックスで、それぞれどんなことができそうかを整理しました。

すべての行事が中止になってしまった最初の緊急事態宣言下では、人が集まる場をつくることが難しく、ニュースレターや展示型のオープンワークショップやオンラインでの発信をいかに工夫するかが問われました。

対面に関しては、リアルに対面する場とオンラインでの対面の場が考えられるわけですが、まちづくりの現場では、オンラインに触れる機会が少なかった方やその環境をすぐに整えるのが難しい方を、いかにオンラインの場を共にできるのだろうか?できないのであれば、対面の場を開ける可能性はないか?ということをこのマトリックスを整理しながら悶々と悩みました。

それをもとに、検討・提案・実践を繰り返し、図中の❶〜❹の4つのアプローチを行いました!

コロナ以降の参加の場づくり体系図cs6ol

❶情報発信と意見収集の手段を見直そう
誰もが情報にアクセスし、意見を言いやすい機会をつくること。

❷安全な対面の場づくり
リアルに集まる必要がある場合、3密に配慮した安全安心な場をつくること。

❸オンラインでの対話の場づくり
Web会議やオンラインサービスを活用し、誰もがどこからでも対話に参加できる場をつくること(そのためのオンライン環境やリテラシーを育む場をつくる)。

❹ハイブリット型(オンライン+オフライン)の可能性
これらの組み合わせで、オンライン、オフラインの両面から参加の場をデザインすることで、参加の裾野を広げること。


次回は、この4つのアプローチについて解説していきます!

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